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西側主要国はソマリア 海賊拠点制圧は困難 強引な陸戦なら泥沼化も
ブッシュ米大統領は9日、ニューヨーク州ウェストポイントの陸軍士官学校で演説し、世界がこれから直面する最重要課題は「統治されていない地域の支配権確立を支援することだ」と述べ、イスラム過激派の拠点になっているとされるパキスタン北西部の部族地域に警戒感を示した。
ブッシュ米大統領は9日、ニューヨーク州ウェストポイントの陸軍士官学校で演説し、世界がこれから直面する最重要課題は「統治されていない地域の支配権確立を支援することだ」と述べ、イスラム過激派の拠点になっているとされるパキスタン北西部の部族地域に警戒感を示した。
大統領は、パキスタンが部族地域で法の支配権確立や対テロ掃討に努めていると述べた上で、米国はこうした取り組みを支援し、部族地域が対米テロの出撃拠点にならないよう努めることが重要との認識を示した。
国連安全保障理事会が十六日、ソマリア周辺海域での海賊対策で、各国部隊が領土内での制圧作戦を認める新決議案を採択したことで、国際社会は海根絶に向けさらに踏み込んだ形だ。
ブッシュ米政権の主導による新決議案を採択について、英王立国際問題研究所のミドルトン研究員は「末期のブッシュ政権が最後に成果を見せたかったのだろう」とみる。
米国は部族地域が国際テロ組織アルカイダなどの拠点となり、テロ要員が隣国アフガニスタンに越境、旧政権タリバンと合流し治安の悪化を招いているとみている。
だが、米国にとって、九〇年代の軍事介入失敗は国民的トラウマ（心的外傷）にすらなっており、今回の決議はブッシュ政権がオバマ新政権に課した重荷ともいえる。
西側主要国はソマリア暫定政府を支援する形で内戦に終止符を打とうとしているが、外国の軍隊の介入排除を図るイスラム急進勢力に押される一方だ。
だが、海賊は裏をかくように活動海域を広げており、「陸の出撃拠点」をたたかなくては根絶を図れないのは明白で、新決議案の意味は小さくない。
海賊対策で市民に犠牲が出れば、アフガニスタンやイラクで起きているようにイスラム急進勢力への支持が強まりかねない。
Generated 2008-12-18_10:23
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