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「ヤギ被告の審理を広島地裁に差し戻し=1審の無期懲役(求刑・死刑)を破棄−小1女児殺害・広島高裁
楢崎康英裁判長は「検察官調書の証拠能力について審理をせずに犯行現場を誤認しており、手続き上の法令違反は明らかになる」として、「無期懲役(求刑・死刑)としたのに、1審・広島地裁判決(06年7月)を破棄し、審理を広島地裁に差し戻した。 ◆広島市の小1女児殺害された事件の控訴審判決骨子◆ 1被告宅の毛布に被害者の毛髪と人血が付着し、被告が犯行当日、自宅から毛布を、被告が「屋外に持ち出していないという供述が信用できるとすれば、犯行現場が特定できる。 ◆犯行場所の訴因変更◆1審第5回公判で、検察官は公訴事実の「(アパートの)荘201号室の被告方」を「及びその付近」に改める旨の訴因変更を請求し、弁護人は異議を述べたが、広島地裁は許可した。 ペルーにも検事を派遣し、被告が現地で女児への性犯罪で2回訴追されたとする資料を控訴審に証拠として提出し、「女児に対する性犯罪傾向があり、矯正改善は不可能」と改めて死刑を求めた。 殺人罪などの罪に問われたペルー国籍のホセ・マヌエル・トレス・ヤギ被告に対し、06年7月の1審・広島地裁判決は、無期懲役(求刑・死刑)を言い渡したが、「一生をもって償わせるのが相当」と異例の言及を行った。 一審判決は、犯行場所を「被告の自宅アパートとその付近」としているが「調書を取り調べれば場所が分かる可能性が多分に多分に性があり、犯行態様も明らかになると思われる」と述べ、裁判所が調書を却下したことや、検察官が必要だと主張しなかったことを「誠に不可解」と批判した。 検察、弁護側双方が量刑不当などを理由に控訴したため、当裁判所(広島高裁で審理が尽くされていたが、同高裁の判断は、「1審は審理を尽くしていた可能性は否定できない」と結論付けた。 さらに、ヤギ被告がペルーでの女児2人に性犯罪を行ったとする検察側の訴資料提出が整理手続きに間に合わず、地裁が証拠採用しなかったことについても、「賛同することはできない」とし、検察側の対応にも、「公判前整理手続きを終結しないよう求めるべきだった」と批判した。 被害者が1人の事案での死刑が適用の是非が注目されたが、1審判決は「犯行場所をめぐる審理が尽くされていない」と指摘するにとどまる肩すかしの内容だった。 専門家からは「緻密な議論に向かない」などと、裁判員制度に反対する声が相次いでいる。 Generated 2008-12-13_0:54
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